お知らせ

イメージングワークショップ開催のお知らせ

 新学術領域「神経系の動作原理を明らかにするためのシステム分子行動学」においては、行動を制御する神経回路の機能をシステムの振る舞いとして明らかにすることを目指しています。 そのためには、複数の神経細胞の活動を経時的かつ非侵襲的に測定することが重要だと考えています。

そこで、領域として、線虫やゼブラフィッシュなどにおいて複数の神経の活性を4Dイメージングにより同時に測定するため、九州大学に4Dイメージングを行うための高速共焦点顕微鏡システムを導入しました。この顕微鏡システムを領域の中で積極的に活用して頂ければと考えています。


高速共焦点顕微鏡システムを用いたFRET解析例

http://www.molecular-ethology.jp/images/2010/06/2meta-1.mov

http://www.molecular-ethology.jp/images/2010/06/psudometa3-2.mov

 今回のイメージングワークショップでは、領域内外において活躍されている方を講師としてお招きして、先端的なお話しをして頂きます。ワークショップと前後して九州大学の高速共焦点顕微鏡システムの紹介を兼ねた説明会を開くことに致しました。

日時:2010年8月18日(水)~19日(木)

場所:九州大学箱崎キャンパス

参加連絡先:九州大学理学研究院生物科学部門  石原 健

        takeiscb_at_kyushu-u.org   (_at_を@に変えて送信して下さい。)


詳細はご案内通知(下記)をご覧下さい。

     イメージングワークショップのご案内




科学研究費補助金の予算確保に関する要望書を提出

 平成21年12月8日、新学術領域研究・特定領域研究を代表して数名の先生方が文部科学省に出向き、担当の学術研究助成課のお取次により文部科学大臣、副大臣、政務官に要望書を提出致しました。本領域からは領域代表・飯野雄一が参加致しました。

       科学研究費補助金の確保に関する要望書



ごあいさつ

領域代表 東京大学大学院理学系研究科 飯野雄一

 このたび文部科学省新学術領域研究「神経系の動作原理を明らかにするためのシステム分子行動学」が5年間の研究領域として設定されることになりました。微力ながら私が領域代表として取りまとめをさせていただきます。

 動物の行動はいうまでもなく神経系による複雑な情報処理によって引き起こされています。そのメカニズムを理解したいというのは古くから多くの研究者の夢であったと思います。一方、近年のゲノムサイエンスの進展により、ヒトを含むさまざまな生物で行動と遺伝子との関連づけを行うことが、ほんの数年前と比べて格段にやりやすくなってきています。しかし、そのような関連づけがなされても、遺伝子産物と個体の行動との間に横たわる多段階の階層がブラックボックスとして残されてしまいがちです。本研究領域は、現代の神経科学においてもう一歩手が届かなかったそのような部分について、遺伝子を基盤としたさまざまな手法を用いて解読を試みることにより、分子から行動までを一貫して理解することを目指して組織されました。

 このような目的のために、本領域では歴史的に成功例の多い還元主義をとり、線虫などの体制が簡単で実験的なアプローチがやりやすいモデル生物を主たる材料として、行動素過程の基本原理の抽出を行います。さまざまな方法論の研究者のご参加により、力を合わせてこのような問題に取り組んでいければ実り多い成果が期待できると思います。

 いろいろな方にお世話になりますが、領域の成功のために何卒よろしくお力添えを頂きますよう、この場を借りてお願い申し上げます。

平成20年1月23日
領域代表 東京大学大学院理学系研究科 飯野雄一


公募要領

 動物の行動は生命の示す最も高次かつ重要な機能のひとつであり、行動を構成する基本的素過程とそれを作り出す神経機能の分子レベルからの解明は生命の理解の上での重要な知的基盤を与える。しかし行動を分子から理解しようとする際、両者の間には依然として大きな階層の隔たりがあり、現状では理解が不十分である。

 これを乗越えるため、本研究領域では分解能の高い解析を可能とするモデル生物を主たる研究材料とし、行動の鍵となる分子と神経回路を同定し、まさにその場で、重要な分子の働きを解析する。行動遺伝学や分子可視化技術、数理科学などの諸分野を融合して新学問領域を形成し新技術を投入することにより、学習・記憶や感覚情報処理、運動制御など、種を越えて保存された行動素過程の動作原理を理解する。これにより、より高等な動物にも適用できる基本概念を形成することを目標とする。

 このため、次の研究項目を「計画研究」により重点的に推進するとともに、関連する一人または少数の研究者による2年間の研究を公募する。1年間の研究は公募の対象としない。

 公募研究の単年度あたりの応募額は、500万円を上限とする実績ある研究者による研究を10件程度、300万円を上限とする萌芽的・挑戦的研究を10件程度予定している。

 計画研究では主に線虫、ショウジョウバエ、ゼブラフィッシュなどの遺伝学に有利なモデル生物を用いて研究を進めるが、公募研究においてはこれらの生物に加え、共通原理の抽出のために、遺伝学に限らず多様な観点からモデル系となる無脊椎・脊椎動物を用いた研究を対象とする。また、イメージングや数理などの技術が本領域の推進に重要であることから、実験系や実験手法の開発に関わる研究提案も歓迎する。

(研究項目)
A01 行動をつくりだす神経系の動作原理の解明